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CATEGORY : アニメ映画感想
手塚治虫のブッダ―赤い砂漠よ!美しく―
DATE : 2011-09-19-Mon  Trackback 0  Comment 0
観賞日:2011/06/17

 正直、仏陀再誕と見比べたかった気持ちもある。「手塚治虫の」ってなっているので、どれだけ伝承に沿った内容なのかはわからないけど、その時代の人と比べて、考え方は先進的だし、その時代には疑問に持つことすらほとんどなかったであろうことを、疑問に思って質問するのもいい。実際、頭のいい人、頭の切れる人という印象は持てた。ただ、その考え方が、自分の中だけで完結していて、周りに伝えるという部分が大きく欠落していたように見えた。

 つまり、クシャさんには人心掌握術が足りない。

 せっかく「王族」という、人に話を聞いてもらえる立場にいたのに、それを投げ出すとか軽んじるとか、激しくもったいない。したたかに利用して、じわじわと国を変えていけばいいのに…と思った。結局(今の段階では)、世界が自分の思うような美しいものになっていないことにただ嘆いて、特に何かをするでもなく、(ここは私のいる世界ではないと思い)そのまま逃げた…という印象。(よくイメージされるような)オンラインゲーム廃人と大差ない印象。「逃げて何を成したい(結果的に何を成すことになるではなく)の?」というところが見えない、ノープランなところが何とも。

 誕生イベントの神々しさから比べると、どんどん悪い方に堕ちていく、どんどん俗世に染まっていく…そんな成長物語。つかあれだけ神ポジションな誕生をしたんだから、王様をはじめ、周りの人ももっと話を聞いてあげるというか、拝聴させていただくぐらいの扱いにして欲しいよね。現国王(父)も、それまでの国王も毎度あれぐらい神々しい誕生してたというのならわからないでもないけど。

 権力的にも、バラモンと王様(父)以外には勝ってるんだから、どんどん我を通して、王様と対立したときだけ、王様をさとす…というプレースタイルでもよかったんじゃないかな。

 後のブッダさんの考え方は現代人に通じるところがある(ように描かれている)ので、その場では頭のいい人なんだろうけど、こっちからしてみれば普通の人でしかなく、言ってしまえばこの時代からタイムスリップして転生した人というSF設定でもいいぐらいなので、そういう「普通の人」の印象ではなくなぜ彼が「ブッダ」という特別な存在なのかという、彼のすごさを見せてほしかったな、と思う。

 残念ながらこの映画の中では、その片鱗もなかった。こういう経験が土台になったのかも知れないけど、1本の映画としてはまだ始まっていないところぐらいで終わってしまった気分。続編がある(作れる)気もしないしな…。

 声優映画としてはそれなりに堪能できました。

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(2011/12/09)
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