あにめ感想にっきV3
手キャプつきアニメ感想やアニメ映画感想ブログ
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 何ももらえなかったので写真は前売り券の予定。

 単館系作品かと思いきや前売り券はTOHO限定券だったところで、結構上映館が多い予定なんだなと知った。バックにフジテレビがついてるんだっけか。

 感想をひとことで言うと、「おしつけがましい」というのが正直なところかなー。

 ここからネタバレ全開で書くので、ご注意ください。


 マコトに対する周りの反応からすると、マコトはいじめられていたというよりかは、自分で壁を作ってまともにクラスメイトはおろか教師と話たりすることもない生活をしていたっぽいことがわかる。そしてクラスメイトは別にいじめてない。とっつきにくいから放置であったり、適当な罵倒をしているだけ。マコトとの関わり方がわからないだけのようだ。

 この状況は、はっきり言ってしまえばぬるま湯である。少なくとも学校での問題は外的要因ではなく、内的要因であるから、マコトが変わればすぐ解決する。特に原因もなくランダムにいじめの対象になってしまうといった、不条理な外的要因がないという世界では、“マコトさえ変われば世界は豹変できる”という安易な答えを誘導するものであるように思えた。自分さえ変われば何とかなる―確かに、そういうこともあるだろう。でも、そういうことじゃないこともある。そういうときは、自分が変わった上で解決していかねばならない―ということを描かないのは、“こうあってほしい世界の押しつけ”であるように思えて、いくらか気持ち悪かった。

 また、徹底して“孤独は悪いこと”と位置づけられているのも押しつけがましさを感じた。学校内でマコトが友だちもなく孤独な存在であったこと、家庭内でそれぞれが孤立していたこと―それらはすべて“悪”として描かれ、人との絆を作ることで、それらの問題、悩みもすべて解消する…とされていた(ように見えた)。

 作品にテーマがあって、伝えたい主張がある―それはもちろん結構なことだけど、キッズアニメやホビーアニメじゃない中途半端にリアルな世界で、「正解」としてこういうものを主張してしまうことにある種の危険性を感じてしまったりした。

 そしてこれを逆に読み解くと、“友だちのいないヤツは自殺してもおかしくないくらいかわいそうなヤツだ”ということも隠れているように見える。これは友だちがいるやつからの一方的な価値観の押しつけではないのか、と。勝手に哀れむな、さげすむな、友がいることがそんなに偉いのか、友がいないことがそんなにダメなのか…と反発もしたくなる。

 友や家族がいた方が生きやすい世の中になっているだろうことは認めざるを得ないが、それは友や家族がいる方が上位であるとか偉いとかそういうことではないと思うんだ。これは右利きの方が左利きより優れているということと似たようなもんじゃないのか、と。“生きやすいから友だちを作る”というのが“自分”を曲げることだと思ったりはしないのか、と。

 「もっと素直に自分を出して、楽に生きようよ」というのであれば“友だちのいない自分”もまた認めるべきではないのだろうか。

 自分の生きづらい世界と別れるために自殺したマコトの意志を否定し、生きるためになら自分を世界に合わせて変えることを肯定する…それは本当に「カラフル」なんだろうか。

 まぁマコトの場合、本質は世界に合っていたのに、なんかうまくいかずに世界にはじかれてしまっただけなので、だから人生をやり直すチャンスをもらえたということではあるのかな。自分の本質が世界に合っているのに、その世界に合わせられずにいるという悩める少年がどれぐらいいるのかはわからないけども。


 感想的にはこの辺で終わった方がまとまりはいいなぁ。まぁでももう少し書く。

 マコトの体に入った魂の正体は、まあ上の方でほとんど書いちゃってますが、見てる段階で気づいたというか確信になったのは押し入れからスケッチブックを取り出すシーンででした。このまま消えるにしても、生き続けるにしても、魂の中身が違ったら意味のないような展開だったしね。そういう意味では、せっかくもう一度生を受けたのに子どもっぽいことしてるなァ…と思ったのは間違いではなかった様子。でもあれって生前やれなかったことをやってみただけで、特にやりたかったことでもないんじゃないかなぁとも思う。

 そして登場人物のどの世代とも違う身としては、これといって自分に置き換えて考えられることがなかったのが、一番自分に届かなかったところですな、たぶん。学生時代の自分に置き換えてみたところで、そんな悩みは自力で解決した過去だし、その頃の自分がマコトと同じ立場だったとしても、あんまり気にしないというか、現実は受け入れるしかないし、不確定情報なら確認すればいいし、状況を悲観するよりは次にどう行動するかを考えるべきだし、死ぬことぐらいはいつでもできるし、死んでもいいやと思えたのなら、その覚悟で何でもやってみればいいし、自分が死ななければならなかったような世界に恩義を感じて迷惑がかからないように気を利かせて死ぬこともないし。まぁ死んでみせたことで、家族関係は良好になったのだから、そういう目的で死ぬことにしたというのならわからなくもないけど。お前らのやったことは人の命ひとつを奪うくらい残酷なことなんだと気づけ! とい訴えのために死ぬことにした…というのでも別にいいけど。

 中学生の自分でもこれぐらいのことは考えていたと思う。で、自分がそう思うようになっていた原因を考えるとさ、

 「マコトに足りないのは、友だちでも家族の絆でもなく、アニメが足りないんだよ。」

 とか言いたくなるわー。特にこの手の悩みには少女アニメがおすすめだねッ! 世界名作劇場でもいいや。熱血じゃなさそうだから、少年アニメで効果があるかは微妙なところかもしれないかな。萌えや癒し系はまだ不要かな…、美術部だからってひだまりやGAを見てもこれといって何かを得る気はしない…。美術系の高校への進学を考えてくれるようにはなるかも知れないけど。

 まぁ別に自分の考えも正解というわけではないだろうからそんなに広げても仕方ないので終わっておく。

 でまぁ、この自殺願望のあった美術部の中学生ってのは、誰かのリアルであり、多かれ少なかれ彼と似たような経験を持っている…のが普通という「俺は普通なんだ」アピールが結構鼻についた。2日楽しくて、1日死にたくなるみたいな話のくだりとかもね。つか「自分が普通じゃない」ってそんなに悩まないといけないことなのか。普通でいるのは楽かもしれないけど、普通でいるのは必ずしも正しいわけではない。劇中では「外れても、尖っても、それは普通の、カラフルの内だよ」というように言っていたようにもとれたけど、これは“普通”を絶対的な価値とする、“押しつけ”に見える。んで、“普通”ではない例として“自殺”や”殺人”の提示がある、これらは「カラフル」の内に入らないのだ。浮気、売春、無関心ぐらいまではカラフル内らしいけども。

 どうせきれい事を言うのであれば、自殺、殺人、テロ、戦争、大量破壊兵器の製造、クーデター、世界征服、人類滅亡あたりまでひっくるめて「カラフル」に入れてくれてもいいじゃないか。人間の見える範囲の色は可視光線の内で、紫外線・赤外線以降の波長の光は見えない、この映画で言う「カラフル」は「この可視光線の内の色であれば認める」ということでしかないように聞こえる。可視光線外の普通ではない色は、可視光線のほんの少し隣にあるというのにね。

 すべてを認めているようなフリをして、その実、自分が許容できないものをすごい勢いで排斥している … カラフルとはそういう映画ではないのかと思う。思えたのだから仕方ない。

 人と違ってたって、自分の中にいろいろな色があったっていいんだよ って…、言われるまでもないわ、つかあなたに「いいんだ」と認めてもらうことでもないだろう…。それをいいとするかわるいとするかだってそれぞれの考えの内じゃないの。認めない人がいたっていい。


 映画の最後に「この映画もまた、『カラフル』の内の色です。」とでも出してくれればまた違う印象になったかも知れないね。そして「カラフル」を許容するならこういう感想も許容されるべきなんだろう。

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 小林真を「マコト」と記したのは、「真」って書くと「しん」って読んじゃいそうだったからで、他意はありません。

 長々とタラタラと感想を書きましたけど、この「カラフル」って映画は、「おもしろかった」「つまらなかった」とかそういう感想ではなく、見た人たちで、こういうことを語り合ってほしいという想いがあったんじゃないのかなーという思いもあって、あえて長めにいろいろ書くことにしました。

 私が、映画「カラフル」に見た、「色」の話。この映画も決して一色ではない。その中で一風変わった色―自分だから見えたであろう色―をチョイスして感想にする。これが「カラフル」を見ての感想、感想群をカラフルにするひとつの色なのかも知れないと思いつつ。

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