
ということで超劇場版ケロロ軍曹3を見てきました。予告で「友達」どうこう言ってたので、ちょっと前にNHKでやってた佐藤順一監督の「友達思い」がどうのこうの話を思い出して、その計算づく感はいやらしく写っちゃうかもなー、と正直なところ思っていたのですが、まぁそんなに気にしなくてもよかったというか、鼻につかなかったわけではないけど、そこばっかりでもなく、笑いもメッセージもたっぷり詰まったいい映画でした。
ダークケロロという要素も、第一印象としては、ありがちのニセモノキャラ、ニセケロロ小隊ネタでもやるのかなぁ? というものでしたが、対立構造としてはガルル小隊(ギロロの兄ちゃんの隊)よりむしろ低いぐらいに感じました。それこそ「こんなケロロ小隊もあってもいいよね」という雰囲気のキャラ構成になってて、それがさらに「もうひとりのケロロ」というキャラ付けに深みを与えていたような。
**以下ネタバレ**
ダークケロロの正体をアレにすることで、超劇場版ケロロ軍曹を何となく3部作に仕立て上げてしまったのは見事でした。残念なことに去年や一昨年の映画の詳細が自分の記憶からだいぶ抜け落ちていたので、自分としてはそれほどヒザポンではなかったのですが。
ケロロ軍曹のぬるい部分を取っ払って、スマートに2分で侵略を完了させてしまうような能力を持ったダークケロロ大軍曹は、一分の隙もない完璧な侵略宇宙人という印象を初っ端に与えられるのですが、それをケロロ小隊が打ち砕いていくのではなく、そのもともとのケロロ軍曹から取り払った部分がむしろウィークポイントになっていくという展開は、よく考えられているなぁ、と思いました。
本編中はテレビ以上にガンダムネタが何の補足もなしにたっぷりと出てて、1/1ガンプラがラスト・シューティングをするまでの流れは実に爽快でした。せっかくだからマグネットコーティングバージョンであることを生かしたネタも欲しかったですが。ガンダム駆動音がなかったのはあくまでガンプラだから仕方ないところなんでしょうかねぇ。自分はガンプラは全然作らないので、首のジョイント以外でプラモを感じさせるところがあったかはよくわかりませんでしたが。あの(元々の)スケールモデルならではのプラモっぽいこともあればよかったかも。ついでにあのガンプラ、映画館のショップでも売ってれば意外といいネタだよなーと今思った。
そんなガンダムネタを多量にやりつつ、ケロロがダークケロロを殴ったシーンで、いつもの殴り後のおやくそくネタをあえて入れてこないのは、つまるところダークケロロにはケロロのガンダム好き設定が本能レベルで入ってない、ケロロ軍曹のいいところが本当に入っていない、愛すべき要素が見つからない…=劇中で葬られてもいたしかたない存在 という印象を我々に与えるものだったのではないかと今にして思う。この前のガンプラを投げて食いつかせよう作戦にも全く食いついてこないシーンも含めてね。
そして最後近くなって、ダークケロロの正体が明かされ、テレビ版にフィードバックできないという劇場版というものの持っている制約や、状況やしでかしたことのでかさ等々のいわゆる“死亡フラグ”を抱えまくった状態になり、自分としても「ここは犠牲になっていくのが一番安定したラストだよなー、寂しいけど」と思わされていたところでの、まさかのどんでん。いやぁ、一本取られた。
ということでいい映画でした。
武者ケロは…まぁ、いいか、略。武者ガンダムネタが必要かと思いましたが、入れられてもわからない可能性大。
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今朝のケロロ軍曹は微妙に映画とリンクしてたのなー。(道具だけ) 冷やした方が効くという効果は結局使われなかったねぇ。
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